映画「エレファント・マン」4K修復版公開!あれから40年!

1981年アカデミー賞最優秀作品賞、主演男優賞など8部門にノミネート、19世紀のイギリスで実在した青年の半生を鬼才デヴィッド・リンチ監督が映画化。2020年7月10日より4K修復版として公開。




もう、40年前の作品ですって。

若かりし頃のアンソニー・ホプキンス。初めてジョン・メリック(エレファントマン)の姿を見たときに涙を流すんです。心を鷲掴みにされたんだろうな。黙っていても語る男だなと改めて思いました。

そして監督はわれらがデヴィッド・リンチ~!

リンチ節が随所に効いている!こんなにヒューマンドラマであってもリンチがすごい!



「エレファント・マン」は実話を映画化、あらすじとネタバレ

この「エレファント・マン」4K修復版を映画館で観たときにヌンチャクが映画グッズコーナーで売られていたのでつい買ってしまった自称ゆるい映画ライターのモグモグです。ヌンチャク上手くなりたいな。

さて、モグモグが子供の頃にテレビで観てからそれきり、白黒画像がめちゃキレイ!クリア!4Kってすごいですね!霞がかかったようにストーリーもぼんやりとうろ覚えだったのですが、こういう内容だったんですね!殆どストーリーを忘れてる!

1回12時間にも及ぶ特殊メイクを施されたジョン・メリック役のジョン・ハート。

2017年に77歳で亡くなっています。

映画では『ジョン・メリック』ですが、モデルになったのは『ジョゼフ・メリック』、イギリスで実在した青年です。28歳でその生涯を終えています。

出生時には何の異常もなかったのですが、生後21か月頃に最初の病変が出現、今日では主に『プロテウス症候群』が原因と推測されている身体の極度な変形、膨張が特徴です。

プロテウス症候群 (プロテウスしょうこうぐん、Proteus syndrome) は遺伝学的背景を持つ希少疾患[1]、3つの胚葉の全てで組織の過成長が引き起こされる可能性がある。プロテウス症候群の患者は、胎児性腫瘍のリスクが増大する傾向がある[2]。プロテウス症候群の臨床的・放射線医学的症状は非常に多様であるが、特有の整形外科的な症状が存在する[3][4]。プロテウス症候群という名前は、姿を変えることのできるギリシアの海神プローテウスに由来する。プロテウス症候群は、1976年にSamia TemtamyとJohn Rogersによってアメリカの医学文献に最初に記載されたようであり[5][6]マイケル・コーエン英語版によって1979年にも記載された[7]。世界中でわずかに200を超える程度の症例が確認されているだけであり、現在約120人がこの病気を抱えていると推計されている[8]。診断が最も容易なのは最重度の変形が生じた人々である。軽症状態が存在する可能性があり、まだプロテウス症候群と診断されていない人々は多く存在する可能性がある。           (wiki調べ)

12歳で公立学校を卒業し、その後は就職するも病状は次第に悪化。彼が街頭に立つとパニックが起こるほどになり、17歳で施設に入ります。

22歳の時に自ら見世物小屋の興行師に手紙を出しています。そして施設を退所しいくつかの都市を巡演したようです。その時に『エレファント・マン』のキャッチフレーズがつけられたそう。

映画では興行師からひどい暴力を振るわれたり、商売のために見世物小屋で働かされている哀れな役のように見えましたが、現実では劣悪な環境の施設から出るために見世物小屋で巡業していたとは。

見世物小屋の興行師バイツを演じた『フレディ・ジョーンズ』

デヴィッド・リンチ作品の常連俳優です。2019年に91歳で亡くなっています。

そして興行師のバイツが連れている少年を演じたのが『デクスター・フレッチャー』

なんと、

「ロックストック&トゥースモーキングバレルズ」に出てました!

キャリア長!!

今では「ボヘミアン・ラプソディー」、「ロケットマン」の監督も!

時の流れを感じますね~。


「エレファント・マン」は実話を映画化、あらすじとネタバレつづき

アンソニー・ホプキンス扮するロンドン病院の外科医フレデリック・トリーヴズはロンドン病院の隔離病棟に青年メリックをかくまいます。彼に十分な教養と知識があることが分かり、病院院長もこれまでの彼の境遇に心を打たれて病院の一室を提供することを許可します。

これまで人に親切にされたことが無かったメリックは初めて人間として接してくれたフレデリックの妻アンに、美しかった母の面影を見出し、大切にしている母の写真を見つめながら涙を流します。

実際において、メリックの母親が妊娠中に町を訪れた移動動物園のパレードを見物に行った際に誤って行進してきた像の足元に転倒し強い恐怖を味わったことが発症の原因と巡演中のパンフレットには記載されていたようです。

映画でも母親が恐怖に喚く姿と像のシーンが出てきます。

病院でのようやくまともな生活から一転、バイツによって連れ出されたメリックは再び見世物小屋でさらされる毎日に。

映画では劣悪な環境と人権無視の権化のように描かれている見世物小屋ですが、実際には自ら志願した様子。見世物小屋よりひどかったのは施設(レスターユニオン救貧院)だったのかもしれません。

見世物小屋の仲間の協力により脱走することができたメリック。

が、マスクを外されてしまい彼の姿を目にした市井の人々は彼を取り押さえようとします。

その時にメリックの口から出たのは『私は人間なんだ!』


「エレファント・マン」感想 マイノリティと人の心

メリックの頭蓋骨

メリックが現代に生まれてきたならば、形成外科手術を受け、完璧な容姿とまではいかなくてもある程度までは整った身体になったのではないかと思います。19世紀のロンドンではそれは難しい。故にメリックの人生は想像を絶する困難を極めたのでしょう。SNSがあったならあっという間に全世界に姿が拡散されていたでしょうね。

フレデリック医師が『結局、彼をさらし者にしてしまっているのではないか』と苦悩したように、人々の注目が親切なものだけであったはずはなく、怖いもの見たさ、好奇心が先ずは勝り、そして奇異に映るもの、理解しがたいものは排除するという人間心理は昔も今も変わらないように思います。

この本を思い出した。

映画の公式サイトはこちら

(公式サイトに劇場情報も載っています)



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