嵐じゃないよ映画だよ!デヴィッド・リンチ「ワイルド・アット・ハート」

1990年、奇才デヴィッド・リンチ監督の長編5作目、カンヌのパルムドール受賞作品です。熱狂的ファンを生んだ「ツイン・ピークス」と制作時期がかぶっているのでこういうことになる笑

愛と性と暴力にまみれたロードムービー

当時観たときは、観始めてから直ぐに、なんて暴力まみれのスケベな映画なんだ!なんて日だ!と思いましたね。

SHOW-YAが聴きたくなってくる

デヴィッド・リンチは「エレファント・マン」(1980年)でアカデミー作品賞を含む8部門でノミネートされるという、え、ちょっといい映画撮る人なんじゃないのぐらいの感覚で観ると完璧に裏切られます。(ちなみにその時のアカデミー作品賞はロバート・レッドフォードが監督の「普通の人々」が受賞、主演男優賞は「レイジング・ブル」のデ・ニーロが取っています)

 名作ですね

「ワイルド・アット・ハート」の危うさは「イレイザーヘッド」(1980年)や「ブルーベルベッド」(1986年・全米批評家協会賞受賞)をご覧になってる方でしたら、なんとな~くその片鱗には気づいているかもです。

そして今作はカンヌ国際映画祭のパルムドールをちゃっかり取ってます。

 デヴィッド・リンチ監督


監督の恋人イザベラ・ロッセリーニの描き方がやっぱりいい!

肝心のストーリーはというと、

恋人のルーラの母親マリエッタから恨みを買い、殺し屋を差し向けられたセイラーは、勢い余ってその男を殴り殺してしまう。

ルーラは蛇革のジャケットを持って出所したセイラーを迎えに行き、二人はホテルへと向かう。マリエッタはルーラのことをあきらめないだろうと思ったセイラーは、執行猶予を無視してルーラとともにカリフォルニア州へと旅に出る。

娘に対して異常な執着を示すマリエッタは、私立探偵と執拗な追っ手を送り込んだ。しかしマリエッタの恨みには、ある秘密があった。

(Wikipediaより)

ローラ・ダーンとニコラス・ケイジが主演、わきを固めるのがウィレム・デフォー!「プラトーン」のウィレム・デフォーだよ!そしていい味を出しているのがハリー・ディーン・スタントン、2017年に亡くなっていますが1生涯100本以上の映画に出演した名脇役さんです。

 ウィレム・デフォーさま

ハリー・ディーン・スタントン最期の作品になってしまいましたね

そして何と言ってもイザベラ・ロッセリーニ!彼女のお母さんはイングリッド・バーグマンだよ!お母さん似のめちゃ美人さん!それなのにあんなに眉毛げじげじにさせられて!

「ブルーベルベッド」にも主演で起用されているイザベラ・ロッセリーニはその作品から監督との交際が始まっています。お付き合いしている彼女をあんなふうに撮るっていいなあと思います。




そして最後の問題のシーン!

デヴィッド・リンチといえば、「ツインピークス」と真っ先に思い浮かぶ方も多いと思うのですが、この「ワイルド・アット・ハート」の頃と撮影時期を同じくしているのですよね。

ネタバレになってしまうので言いませんが、映画ラストシーンは「え?え?」と観客が思わず困惑してしまう展開です。



シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする